知床への旅
電車を乗り継いで成田空港までやってきた。
今回は女満別空港までpeachで行く。女満別空港行きのチケットはpeachが取りやすかった。
peachは成田空港第1ターミナルに入っている。
LCCは第3ターミナルにあるイメージだが2020年頃に第1ターミナルに移ったのかな?
12時55分出発、15時00分に女満別空港に到着する予定だ。
Shiblyさんは12時前には女満別空港に着いているはずだ。
Shiblyさんと女満別空港で合流して、4日間道東を一緒に旅する。
今回の目的は知床のロケハンだ。
Shiblyさんを女満別空港で待たせているので早く出発したいところだが、使用する飛行機の到着が遅れたため出発が遅れた。
結局、出発が15分くらい遅れたけど、上空で飛ばしたのだろう、定刻より5分遅れで女満別空港に到着した。
Shiblyさんは到着ロビーで待っていてくれた。
前回、一緒にニセコへ行ったときは新千歳空港で俺がShiblyさんを出迎えた。
早速レンタカーを借りる手続きをする。レンタカーの受付の女性が、鹿など動物に注意してと脅かすので、保険をMAXにした。
すでに午後4時近いので、今日は網走の市内をてきとうに走ってホテルへ行くことにした。
途中、網走湖、オホーツク流氷館、網走刑務所のある天都山を通って、駅前にある東横インに到着した。
今日の予定は網走のホテルに着けば終了だ。
なにかおいしいものを食べたいが、網走駅のまわりにはレストランがない。
唯一ステーキとハンバーグのレストランがあったのでそこへ入る。
俺はビールとハイボールを飲んだ。Shiblyさんは何も飲まなかった。
美味しいわけではないが、安かったので仕方がない。
地元のおじさんが一人で飲みながらハンバーグを食べていた。
1日目終了。
2日目の朝、朝食前に散歩をした。
ホテルの近くを網走川が流れていて、橋の上から見てみるとシャケがいた。
あらためて、東北海道の自然を感じた。
美味しくないホテルの朝食(無料)を食べて、いよいよ知床へ向かって出発だ。
網走を出て海沿いを走ると涛沸湖があって、すぐ近くに北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線の原生花園駅がある。
駅の前の草原には馬が何十頭もいた。Shiblyさんは動物が大好きだ。
今回の知床の旅は動物とくに熊と鹿の撮影をすることが目的なのだ。
今回北海道に来てはじめて見る動物、野生の動物ではないがShiblyさんは興奮して長い時間撮影していた。
撮影がやっと終わったので、知床へ向かって走り出す。
今回のひとつの目的地「天に続く道」に到着。
天に続く道は、28km続く直線の道路。いかにも北海道らしい。
網走側から来ると、天に続く道の撮影スポットは28km走り終わった先にある。
天に続く道の撮影スポットでお決まりの撮影をして、知床へ向けて出発する。
海沿いを走っていると、遠音別川が海に流れ出る河口があり、車が何台か停まっていた。
シャケだ。シャケが遡上しているのだ。
5、6人の人がカメラを構えている。
50cmくらいの段差というのか滝というのか堰きというのか分からないけど、シャケが勢いよくのぼろうとしている。
ここでもShiblyさんはずっとカメラを構えている。
俺もiPhoneで動画を撮影した。
今回の旅行はどちらかというとShiblyさんが計画した旅なので、Shiblyさんのやりたいことが中心でかまわない。
でも一箇所の撮影が長い。Shiblyさんの写真を何かのデザインで使用するのなら頑張って撮影して欲しいが、今回はあくまでロケハンだ。
さらに東へ向かい、いよいよ知床半島に入り、オシンコシンの滝に到着した。
オシンコシンの滝あたりから海の彼方を見ると陸地というか島みたいなのが見える。
Shiblyさんは、あれはSakhalinか? Sakhalinだ!といって興奮している。
iPhoneを駆使して調べてみたがよくわからない。
ネットで探してみると、同じような質問をしている人がいて、その回答はこうだ。
オシンコシンの滝あたりからサハリンは絶対に見えません。ちゃんとコンパスを使って調べてみてください。
Shiblyさんは近くにいた観光バスの運転手とガイドさんに聞いた。
ここからサハリンは見えないよ。あれは網走あたりだよ。と教えてもらう。
Shiblyさんは教えてもらったお礼に、もっていたせんべいをあげた。
iPhoneのコンパスで調べてみると、確かにサハリンは方角が違う。
Shiblyさんはがっかりした。
今回の目的のもう一つは北方領土を見ることだ。
サハリンを見るためには北海道を北上しなくては無理だった。
気を取り直してさらに東へ向かう。
いた!鹿だ!
家族だろうか、立派な角を持つ大きな雄と大きな雌、角がない小さな鹿が2頭。
車を停めて撮影開始だ。
Shiblyさんはにっこりしながら鹿を見ている。
鹿も人間になれているのか、俺たちを見ても逃げない。
Shiblyさんの撮影が終わって、また車で走り出す。
次の目的地は知床ネイチャーセンターを経由して知床五湖。
高架木道を散策する。知床の大自然を感じながら往復1.6kmのコースを歩く。
次の目的地は今夜宿泊するホテル。
斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路を走る。
知床峠の頂上でついに北方領土国後島が見えた。でかい。
このでかい島は今はロシアが支配している。
日本は島国なのでほとんどの地域で「外国」を見ることはできない。
ここ知床では、今は外国のような存在になってしまった国後島を見ることができる。
外国ではないが行くことができない。
知床横断道路を走り羅臼側へ向かう。
鹿だ。車を停め撮影をする。(この後も鹿はたくさん見ることができ、Shiblyさんはだんだんと見慣れていって、反応が薄くなった。)
2日目の宿、ホテル峰の湯に到着。
チェックインをするとフロントでGOTOトラベルが始まっている、と教えてくれた。始まっているのは知っていたけど、使えるとは思わなかった。
3回目のワクチン接種証明かPCR陰性証明があればいいという。
俺はどちらも持っていなかったけど、Shiblyさんは3回目のワクチン接種証明書を持っていたので、GOTOトラベルが適用された。ラッキーだ。
俺は温泉に入った。静かないい温泉だった。露天風呂もよかった。
たぶん、Shiblyさんは温泉に入らなかった。
食事も豪華だった。
一つ驚いたのが、茶碗蒸しが甘かったこと。今まで食べた茶碗蒸しの中で一番甘かった。茶碗蒸しは甘いより出汁の味がいい。
食事の後はこの旅の最大の目的、ロケハンの打合せ。
俺は酒を飲んでしまったけど、Shiblyさんは飲まずに打合せに備えていた。
Shiblyさんの運転で目的地へ行って打合せをする。
ホテルに戻って飲み直そうかと思っていると、Shiblyさんが散歩に行こうという。
鹿や熊が見たいのだ。
寒いので持ってきたダウンを着て、散歩にでかける。
鹿がたくさんいる。走っている。鹿は夜行性なのだ。
俺はMilky Wayを見ることも目的だったが、大きな月が輝いていて、Milky Wayを見ることができなかった。
ホテルの周辺は想像していた知床の夜よりも明るかった。これじゃMilky Wayは見られない。
ニセコのほうが暗いと感じた。
部屋に戻って缶ビールを1本飲んで2日目終了。
3日目。
朝早く起きて、海岸まで行き日の出を見た。Shiblyさんは朝が苦手そうだから誘わなかった。
国後島から登る朝日だ。雲が少しあったけれど、きれいな日の出だった。
海沿いを車で走ると鯨の見える丘公園があったので行ってみた。
細い急な斜面を登ると灯台と展望台があった。
大海原。すぐ近くに国後島がある。
クジラは見ることができなかった。
ホテルに戻って朝食をいただく。
Shiblyさんも満足の朝食だった。
今日は野付半島へ行く。
野付半島へ向かう途中、Shiblyさんがネットで面白い場所をみつけた。
標津町にあるメロディーロードだ。
道路に溝が刻まれていて、そこを車で走るとメロディーが聞こえる。
この標津町にあるメロディーロードを走ると「知床旅情」を聞くことができる。
なかなか面白い。知床旅情を聞くために道路を何往復もしてしまった。
楽しい寄り道をして、野付半島へ向かう。
野付半島は砂嘴と呼ばれる細く長い砂が堆積してできた半島だ。
最も細い部分は、道路と両側に少し陸地があるくらいで海に挟まれている。車で走ってみると少し怖い。
こんな細い場所だけど、鹿がいる。鶴や白鳥もいた。
この野付半島には漁業のための船や資材が置いてあってなんとなく違和感を感じるが、北海道の自然の中で暮らすためには自然を守るだけではないんだと感じた。
この後は3日目の宿、網走のホテルに向かう。
今回の旅も3日目が終わろうとしている。
網走市内に入ってShiblyさんはお土産を買った。
3日目の夜は居酒屋へ入った。賑わっていて人気の居酒屋のようだ。
Shiblyさんは食べられないものもあるが、お茶づけを食べて満足していた。
居酒屋を出てShiblyさんはコンビニでアイスクリームを買い、食べながらホテルへ帰った。
3日目終了。
4日目(最終日)
午前中に博物館 網走監獄へ行く。
北海道へ来るたびに、北海道を開拓した昔の人のパワーを改めて思い知らされる。
網走刑務所はロシアの侵攻を防ぐためにここ網走に作った。
高倉健主演の映画「網走番外地」で網走刑務所(網走監獄)は観光地になった。
網走刑務所の歴史を調べてみると重い気持ちにもなるが、網走市の経済発展のためには観光も重要だ。
いよいよこの度も終わろうとしている。
Shiblyさんは12時5分の飛行機に乗るために空港へ向かう。
空港でShiblyさんと別れて、俺はレンタカーを返却する。
空港の近くで迫力のある動画が撮れた。
今回知床を急ぎ足で回ったが、それでも大自然を感じた。
知床には自然しかない。
自然しかないから、いい。
近いうちにまた知床へ行く予感がする。